人気ブログランキング | 話題のタグを見る

多文化共生 -その3 『多文化主義』1

『白豪主義から多文化主義へ-オーストラリアの多民族共生社会に学ぶ』
というのが、3つ目の講演のタイトル。これが今回の講演会に私が期待していた講演でした。

まずは、“多文化主義とは”という初歩の初歩から始まりました。研究者でもなく、その道について学んだこともない素人の私にはありがたいのですが、講演の先生にとっては「もう十分に話しつくしたこと」であるようです。

さて、多文化主義の基本理念とは、「反同化主義である」ということから始まりました。
 ・国民国家は一文化、一言語、一民族によって構成されるべきだ、という古典的な民族自決と同化主義的国民形成と統合政策に反対する。
 ・人種差別、民族差別、エスノセントリズム(自民族中心主義)への反対を擁護する。
というものでした。

そして、さらに、民族・エスニシティへのこだわりを前近代的・非合理的なものとして否定せず、むしろ多文化状況を積極的に評価し、その存続・維持発展を求めていく。
その多文化共生の考え方は、エスニック文化とナショナル文化の共存共栄を図っていくことになる、というもの。

なるほど、ここまでは私なりの「多文化主義の定義」とは違っておらず、ちょっと安心しました。でも、この後に出てきた話にちょっと驚きました。

というのも、多文化主義の戦略的目標として、
「多文化主義は国家が生き残るための国家戦略である」という話が出てきたからです。
 多文化主義が国家戦略?
 多文化主義は移民などによって多文化が身近に存在している国においての、住民同士のトラブルを避けるための手段
という、ミクロ的な視点でしか考えたことがなかったので、「国家戦略」と聞いて驚きました。

要は、多文化主義は社会的安定と国家分裂を防ぐための国家の生き残り戦略であり、移民・難民・外国人労働者の人材有効活用を目指す、国家経済発展戦略であり、国際政治の安定と貿易拡大を目指す国際貿易促進政策である、ということらしいのです。
これが、多文化主義が国家戦略とされる理由でした。

これは1989年に刊行された ”National Agenda for a Multicultural Australia” というオーストラリアの多文化主義の基本理念について書かれたレポートと、その改訂版である1999年の “A New Agenda for Multicultural Australia” というレポートに詳しく記載されています。

なかなか面白くなってきました。
by yellow-bus | 2006-11-05 23:59 | Australia いろいろ


オーストラリア永住VISAが05年9月におりて、07年6月にメルボルンに引っ越し(移住)してきました。


by yellow-bus

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

リンク

フォロー中のブログ

メルボルン Life
SYDNEY GAZE/...
移住する?
ハッピー・トラベルデイズ
ブリスベンでの日常生活
Melbourne Ex...
TEPPEI 101
メルボルンらいふ
もろてん。
写真でイスラーム  
オーストラリアでエンジニア
ゲイカップルのシドニー移...
オーストラリア移住と生活
オーストラリアへ移住する...
夫婦でOZ移住日記 ~生活編~
アデレードに暮らす
オーストラリアで数学・日...
タスマニアで生きる人たち
メルボルン奮闘日記2
クリス・コルファー宣言

以前の記事

2021年 03月
2019年 03月
2018年 03月
2017年 12月
2017年 11月
more...

検索

カテゴリ

全体
Melbourne生活
Australia いろいろ
家 Home
JOB
仕事探し
ニッポン いろいろ
VISAって
Melbourne
引っ越しにまつわること
NewZealand
Australiaの街
雑記
オーストラリアで教職への道
未分類

タグ

(768)
(225)
(109)
(88)
(61)
(55)
(47)
(45)
(43)
(42)
(39)
(38)
(36)
(33)
(33)
(33)
(31)
(29)
(26)
(26)

ブログパーツ

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

海外生活
日々の出来事

画像一覧