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『Japanese Story』

また行ってきました、オーストラリア映画祭。
これは観たい、と前々から思っていましたので、楽しみにしていました。

さてさて、ストーリーは、というと、
かなり意外な展開なので、全部は書けません。前半部分だけ言うと、
日本の大企業の御曹司が、なぜかオーストラリアにやってきます。(このあたり、ビジネスなのか、遊びなのか、よく分かりません。)自分の会社が製鉄会社のようで、西部の鉄鉱石採掘場をスーツを着て視察します。そこで、自社のソフト(地質学に関するパソコンソフト)を売るという商談をまとめるよう、現地ガイド兼任としてトニ・コレットが嫌々ながら彼に同行させられます。

最初はヒロ(日本人ビジネスマン役ゴータロー・ツナシマ)もサンディ(トニ・コレット)もお互い、心を開こうとしません。(←そりゃそうだ。)彼はサンディを運転手扱いするし、話しかけても「はい」としか言わないし、英語を全く話しません。話そうともしません。

そうして、彼が強引にも「もっと奥地に行く」だなんて言い出し、サンディも嫌々、車を砂漠地帯の奥地に進ませ、案の定、車が砂にはまって動かなくなる。
サンディは何とか脱出しようと頑張るも、彼は全然手伝わない。
仕方なく、野宿することになり、翌朝、二人で力をあわせてなんとか脱出に成功。彼らはやっと打ち解け、そしてその夜、結ばれる。(←かなり意外な展開。)

その後は、彼も英語を話しだし、砂漠での非礼を詫び、今までと全然違って、なぜかレディーファーストっぽいことまでやってしまう(レストランで椅子を引いてあげようとまでする、が、失敗してぶつかってしまう)。

その後、彼らは西部の奥地を車で移動し、2人の時間を楽しんでいた。そこで事故が起きてしまう...。

かなり意外な展開なので、ビックリしました。
「えー、あれで関係持っちゃうわけ~??」
って思ったり、その後の事故についても、意外すぎる展開なので、観終わったすぐ後には、そういう点に、ちょっと納得がいかなくて、
「この映画は、どうなのかなぁ?」ってちょっと思ったりしました。

日本人のステレオタイプ的描写(スーツ・名刺交換・写真撮影好き、等など)についても、結構納得いくところもありましたが、私が”日本人”として観た時には、やっぱり
「そうかもしれないけど、でも実際は違うし、そんな人はいないよ。」
って、ちょこっと思ったりもしました。

でも、なんか違うなー、という感じが消えませんでした。
「自分が感じた違和感は監督にとって問題ではないから描かなかったんだろうし、で、監督は、一体何が言いたかったのか?」と。

情けないながらも帰りの道すがら、パンフレットを読んで納得できました。映画を観て、パンフレットを見ないと理解できないなんて、私の感性が鈍っている証拠です...。

タイトルの『Japanese Story』は誰にとっての”Japanese Story”か。
日本で仕事や家族に追われる、ストレスフルな生活の中で自分を見失った男が、広大なオーストラリアの大地と自然、現地女性との恋愛でリフレッシュするという、”Japanese (Men's) Story”なのか。

そんなんじゃないのです。サンディにとっての”Japanese Story”であって、未知の存在・文化との接触についての、彼女の心の話なんですね。それに気づいて、あぁ、なるほど、って思いました。と同時に、そんな簡単なことに気づきもしなかった私はダメだと思いました。反省。
だから、意外な(=強引な)展開や話がはしょられている感じがしても、そんなことはどうでもいいんだ、って思いました。

なかなか面白い映画でした。鉄鉱石採掘場は、バカでかくて、「すごい!」の一言だし、アウトバックの景色もきれいだし、そこで流れている、沖縄民謡(坂本龍一氏)も不思議と、景色と音楽とがあっているし。

先に書いた「日本人のステレオタイプ的描写」についてですが、きっと違和感を強く持つ人もいるんだろうな、と思いました。『Lost in Translation』での日本人や日本の描き方に納得がいかない人がいたように。
私も”日本人として”の目で見た時には、ちょっとそう思いましたが、サンディやオーストラリア人、ひいては異文化の人々から見たら、きっとそう見えるんだよな、って違和感よりも、納得する感じの方が大きい感じがしました。

・英語が分からないだけなのか、シャイなだけなのか、傍(はた)からは分からないけれど、コミュニケーションをとろうとしないように見える、こと。
・砂漠で頑張っているサンディを手伝わず、声もかけないけれど、終わってから、「実はあのとき...」とか言い訳を言ったり、すべて済んでから謝る、ところ。
・悲しみを表に出さず、能のお面をかぶっているような、無表情さ。でも、悲しみを感じていないわけではなく、人知れず、見えないところで号泣する、ところ。 
などなど。
NZで暮らしていた頃に、きっとこんな風に見えていたんだろうなー、っていろいろと思い出しました。そういう視点から見ると、監督の描く日本人像が本当にしっくりきました。

なかなか考えさせられた、良い映画でした。

-----
追:家に帰ってから、ネットで「Japanese Story」を検索していたら、「駄作だ」と断じている映画評論があり、残念に思いました。ま、いろいろな意見があってしかるべしですけど。これ、単純な恋愛映画じゃないんですけどね。
by yellow-bus | 2006-10-27 11:24 | Australia いろいろ


オーストラリア永住VISAが05年9月におりて、07年6月にメルボルンに引っ越し(移住)してきました。


by yellow-bus

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